皆さんは「4歳の壁」という言葉を聞いたことはありますか?
4歳になった息子との関わりの中でうまく行かないなぁと思うことが増えてきて、いろいろ調べていくうちに「4歳の壁」という言葉に出会いました。
4歳の壁について調べていると、息子(と私)が今まさにぶち当たっているのはこれだ!!と確信しました。
(なお現在も壁を乗り越えようと親子で奮闘中です)
今回は
・4歳の成長や発達は?
・4歳の壁の特徴
・4歳の壁、男の子と女の子で違う?
・4歳の壁、親ができる対処法
についてまとめてみました。
我が家の「4歳の壁」奮闘の様子は別の記事にして公開する予定です。
よかったら覗いてみてくださいね!
4歳児の成長や発達は?
4歳は認知能力が大きく成長する時期。
空間・時間の理解度が上がったり、自分と他人の違いや区別ができるなど、これまでに比べてどんどん脳が成長していく時期になります。
【認知能力とは】
知能検査で測定できるような能力のこと。
例・記憶力や思考力、計算力、言語力、IQなども認知能力
また、脳の成長だけでなく、身体機能も急激に成長します。
4歳ごろは心身ともに大きな成長を遂げるようですね。
4歳児がどの様な成長をしていくのか、具体的に説明していきますね!
4歳児の身体能力
身体を上手にコントロールする力が身に付きます。
体のバランスを取れる様になり、
- 片足でけんけんする
- スキップ
の様なことができる様になります。
手先も器用になることで、今までできなかったことができることが増えていきます。
例えば、ハサミや紐結びのような指先を細やかに使う動きができるようにもなっていきます。
走る・ジャンプするなどの体を大きく使った動きもどんどん上達するので、
より活発な活動をするようになります!
4歳児の心と社会性
4歳児さんは言葉の理解力も高くなり、大人からの指示を理解し応えられるようになっていきます。そこに喜びを感じられる様にもなります。
そして周りに興味をもち、積極的に関わろうとするようになります。
ルールを決めて遊んだり、同じ行動をとることで、遊びの中で社会性を身につける時期です。
他者との関わりが増えてくるものの、他者との関わり方についてもまだまだ成長過程。
お友達とのケンカも増えてきますが、その中で「協調性」や「自己解決力」を伸ばしていきます。
4歳児の言語能力・知能
語彙がさらに増えていく時期でもあります。
日常での会話がよりスムーズになり、自分の気持ちや考えを表現できる様になってきます。
さらに、記憶力も成長して過去・未来の話や想像のお話をするようになります。
「なぜ?」や「どうして?」も増えていきます。
また、少しずつ「自制心」も育っていき、我慢できるようになっていきます。
〈我が家の4歳息子の発達〉
おもちゃを計画外でさらに欲しがった時に、
「今日はもう欲しがってたおもちゃを買ったから、今買ってしまうとしばらく(未来)おもちゃ買えないよ。
次のおでかけ(未来)のとき、おもちゃ買えなくなるけど、今日もう一つおもちゃ買う?」
みたいなことを聞いた時、これまでなら
「買う!(そして次のお出かけの時には約束を覚えていないので暴れる)」
の一択だったのですが、
最近では「次のおでかけで買う!」という日がかなり増えてきました。
計画外でおもちゃ買った次のお出かけの時にも
「この間(一週間前)おもちゃ買っちゃったから、今日は買わない〜」
「この前買わなかったから、今日は買っていい?」
と息子に言われることも増え、覚えていることにびっくりすることも。
かなり記憶力や理解力が上がっているのだと感心しています。
4歳の壁って何?どんなことをするようになる?
身体・脳・心のいずれも急激に発達し、その成長に感情のコントロールなどが追いつけないことで生まれる葛藤や摩擦が「4歳の壁」。
すなわちこどもの健やかな成長の証でもあります。
また、保育園や幼稚園に入園し親から離れて家族以外の「社会」にはじめて触れる時期。
いつでも甘えたい時は甘えられた家庭内とちがって
時には我慢をしなければならなかったり、自分のことは自分でしなければならなかったり、
友達との関わりの中で衝突することがあったり・・
家族以外の社会への進出や心身の急激な成長に子ども自身が戸惑ってしまうことで「4歳の壁」ができるようです。
息子を叱ることが増え、会話もうまくいかなくなったりするたびに
育て方が悪かったのかとか愛情をしっかり伝えられなかったのかとめちゃくちゃ悩んでいましたが
「4歳の壁はこどもの成長の証でもある」って知れてかなりホッとしました・・・!
4歳の壁について子どもの行動など詳しく説明していきますね。
頑固で反抗的になったり、親の指示を嫌がる・できていたことをやらなくなる
自分の意見を強く主張するようになり、親の指示に反抗するようになります。
これは2歳ごろのイヤイヤ期と違い、4歳さんは自己主張の気持ちから「自分の希望が通らないことへの反抗」です。
「自分と親との力関係を試している」ともいわれており、やさしく受け止めてあげることが大切です。
また、着替えや片付けなど、できていたことを拒否することもあります。
これはやっていたことを中断されることを嫌がる(自分のやりたいことを通せない)からといわれているので、
早めに次に行うべき行動をアナウンスするのが効果的と言われています。
親のしつけに対抗することで「自分と親との境界」を理解しようとしているといわれており、
甘えを受け止める余裕が親には必須なようですね。
かんしゃくを起こす・乱暴になる
言語能力や知能が上がり、自分の気持ちを伝えられるようになってきたものの、
まだまだ気持ちに折り合いがつけられなかったり自分の気持ちをうまく言葉にすることができず、その結果、泣き叫んだり物を投げて暴れたりといった「かんしゃく」を起こす子も多いです。
〈癇癪を起こしている時の対処〉
基本的には子どもの安全を確保したら落ち着くまで待つのが良いとされます。
暴れている周りにぶつかって危ないものはないか、怪我をしそうなものがあれば離します。
外出先であれば、安全な場所まで連れていければ連れて行ったほうがよいでしょう。
その後は子どもが落ち着くまで待ちます。
子どもが落ち着いたら、癇癪を起こしたことを叱るのではなく落ち着いたことを褒めてあげるようにしましょう。
癇癪を起こす原因は子どもによって様々です。
どんなときに癇癪を起こしているのかから原因を見つけて対応をします。
例えば、
「遊びを切り上げるときに癇癪をおこす」のであれば、
やっていたことが中断されることや先の見通しができないことがもしかしたら原因であるかもしれません。
- 遊びを切り上げる予告を先にしておく(何時に・あと〜回で終わろうねなど)
- 遊びのあとの次の予定を先に伝えておく(このあとは〜〜しようねなど)
などの対応が考えられます。
怖がりになる・物怖じするようになる
記憶力や想像力、見通しができる力が育ってきたがために
不安や恐れの感情が以前に増して強まる様になり、怖がりになったり物怖じする様になる子もいます。
今までできていたことでも、失敗してしまうかもと想像してしまったり、新しい環境や経験に対して不安や恐れをいだいたりするようになるようです。
怖がりは想像力や見通す力が成長した証。
不安を覚えている4歳さんには、親からのポジティブな声掛けや小さな成功体験を重ねることでで自信をつけてもらうのが効果的だそうです。
いろんなことができるようになったといえど、まだまだ4歳。
「服を着る」「靴下をはく」「お片づけする」「ご飯を食べる」などは、できるようになったのならもう子どもにとっても簡単なことだろうと思っちゃう時もあるんですが、
子どもにとっては「できるになったけど、まだまだ大変な作業」なのかもしれません。
不安に思っている子どもに対しては
「なんでできないの」「はやくして」のようなネガティブな言葉ではなく、まずは話を聞いてあげたり、手伝ったり甘えを受け止めてあげるのが大事だそうです。
できたことを褒めてあげたり、ちょっと親が手伝ってできたことでも「自分でできたね!素敵だね!」と前向きな言葉や自信をつけてもらえるような声がけを意識することで、次第と不安を乗り越えていけるはずです。
嘘をつく
嘘をつくことを覚えるのもこのころのよう。大人からすればうそだとわかりやすいような嘘をつくことも。
この場合の対処としては嘘がバレていることを冷静に伝える、嘘をつかれたら悲しいと気持ちを伝えるのが良いと言われています。
また、こうだったらいいなという希望の話をあたかも本当のことの様に話すこともあります。
「お休みの日に、○○くんとお買い物に行った」
これは騙そうとしているわけではなく、ただ「こうならいいなぁ」という思いでお話ししているだけなのですが、
必要な場合は「嘘でしょ!」と頭ごなしに叱ったり否定したりするのではなく
「本当のことだけお話ししよう」と促す様に伝えましょう。
「ぬいぐるみとのお話した!」のような、空想世界のお話は想像力の成長の証です。
「そうなんだね」とつきあってあげるのもよいとされています。
思い通りにならずに拗ねる・無視する
自分の意思が通らないことへの反抗で拗ねたり、無視したりするといった行動が出ることがあります。
まだまだ感情のコントロールが未熟なため、思い通りにならないことをすぐに受け入れられないためです。
4歳さんが拗ねたり無視したり感情のコントロールができていない状態のときは、
待つ→子供の気持ちを聞く→共感・理解する→(私の気持ちを伝える)
の順で対応するのが良いとされています。
まずはお子さんの感情が落ち着くまで待ちます。
急かしていろいろ聞いたりお話ししたりせずに、
落ち着いた頃に、お子さんからお話しするのを待ちましょう。
お話ししてくれたら、話してくれたことにありがとうと伝え、お子さんの気持ちに「そうだったんだね」と共感したり理解していることを伝えます。
お子さんが言った言葉を繰り返すだけでも、あなたの話を聞いているよ、ということが伝わります。
そのあと、「私(大人)はこうおもったよ」と、自分はどう思っているのかを伝えます。
気持ちが落ち着くまで待ってあげること、お子さんが話してくれたことへの感謝・共感理解が大切です。
次にまた同じ様に拗ねたり無視したりすることがあっても、
お子さんが信頼してお話ししてくれる関係を築いていけます。
4歳の壁、男の子・女の子で多いこととその対処法は?
4歳の壁に関して、男の子と女の子で違いはないと言われてはいるのですが、
実際のところでは男の子、女の子それぞれで傾向が違う様です。
4歳の壁|男の子の傾向は?
男の子に多いのは、
- 叩く・蹴るなど力を行使すること
- 汚い言葉・暴力的な言葉
対処法としては
体をたくさん動かして発散できる様な過ごし方をしてみる
過剰な反応をやめ、冷静に「もし自分が言われたらどう思う?」を考えさせることです。
どんな対応にしろ、その場の1回でやめてくれることは少なく、
叩いたり、嫌な言葉を使ったりはその後も何度も繰り返されます。
気を長く、根気よく伝えることが必要なようです。
4歳の壁|女の子の傾向は?
女の子に多いのは、
- 言葉での反抗
- 無視・拗ねる
といわれています。
女の子は男の子に比べて言語の発達がはやい傾向があるので、驚くほど大人びた会話で反抗されることも。
それだけ言語能力が発達している証拠なので、
「ママ(大人自身)は、こう思う・こうしてほしい」と、気持ちを伝えてみると、案外すんなり理解してくれることも多いようです。
4歳の壁への対処法8選!|どんなときも親は冷静に
・余裕なく叱るのではなく、はじめに話を聞いてあげる
2歳ごろのイヤイヤ期とは違って、会話も上手になってきた4歳さん。
4歳児なりの「言い分」があるはずなので、叱る前に子どもの話を聞くことを徹底します。
話を聞いてもらえたことで、気持ちをわかってもらえた!と、それだけで落ち着いてくれることもあります。
また、子どもの気持ちを聞くことで親子ともに納得ができる行動に移せるかもしれません。
・ポジティブに褒める、認める
想像力や見通す力がついてきた4歳さんは新しいことに不安や恐れなどネガティブな思いを抱くことも少なくありません。
前向きな言葉で褒めたり、認めてあげることを意識しておきましょう。
子供の行いに注意やしつけをしなければいけないときは、
「ダメ!」「やめなさい!」などの強い否定をできるだけつかわず
「〜〜がいいよ!」のように易しく肯定的なかたちに言い換えると素直に聞き入れてもらいやすいです。
また、良い行いは認めてたくさん褒めてあげることで、
認められたと感じ、子どもは安心を覚えたり・自己肯定感につながります。
いつも当たり前にできていることも、
「〜〜できたね」「いいね」と認めてあげることで前向きな感情ができ、「またやろう」と思える様になります。
大人でも、いつも当たり前にやっている仕事を褒められたり感謝されたらモチベーションになりますよね!
・コミュニケーションの手助けをする
かんしゃく・無視・拗ねるなどの行動を起こすのは
自分の感情が複雑で、ことばで表現することができないからのことがあります。
子供が表現できない部分を親がやさしく言語化してあげながら、その気持ちを認めてあげることで
自分の気持ちが伝わったと落ち着くこともあります。
・子供の気持ちを理解し甘えも受け入れてあげる
強い自己主張や感情の爆発は、感情の発達があってこその行動。
大人(親)は感情的にはならずに優しく受け止めてあげることを意識します。
子供の気持ちを代弁したり行動を認めたり褒めたりすることで、子どもは自分のことをわかってもらえたと安心できるそうです。
今までできていたことを「やって」と甘えてきたときは、
親との関わりを求めていたり、どう反応するのか試していることがあります。
4歳といえば、幼稚園や保育園などに入園し、親から離れた場所でひとりで頑張り始めた子が多く、
まだまだ「自分で頑張る時」と「甘える時」のバランスを自分で取ろうとしています。
「やって」と甘えてきた時には、いつも幼稚園や保育園では頑張っていることを思い出し、やってあげたり甘えさせてあげるのがよいでしょう。
やさしく抱きしめてあげるなどのスキンシップをたくさんする
4歳といえば、自分で歩いたり1人で遊んだりすることもふえ、以前と比べると手を繋いだりスキンシップをするタイミングって少なくなりますよね。
スキンシップをたくさんすることで、子どもの気持ちが安定することがあります。
特に暴力が出てしまう子はスキンシップを増やすと落ち着くことも多いそうです。
・生活のルーティーンを確立する
4歳の壁には「新しいことに不安や恐れを抱く」というのもありましたね。
逆に言えば「予想がつく」「安定している」ことに安心感を覚えます。
毎日やることやその順番などを整えて、習慣化しておくと安心できるようです。
平日の夜は
「ごはん→お風呂→お薬→はみがき→えほん→就寝」
の習慣がついてからは
自分で「お薬飲まなきゃ!」「はみがきする・・・」「絵本読んで〜」と進んで日々のルーティーンをこなすようになり
穏やかな夜になっていると感じています。
・見通しをもった声掛けをする
自分の思った通りにならなかったり、やりたいことを止められると反抗的になりやすいため、早めに行動を促しておくと、次の行動にスムーズに移れるようになります。
「〜〜したら・・・しようね」
「何時になったら(時計の長い針が〜)、・・・しようか」
「あと・・回で帰ろうか」
のように「2つ先の行動」「時間」「回数」を伝える声掛けも効果的だそう。
・自分で選択させる
自己主張が強まり他人に指示されることを嫌がる子も多くなります。
また、記憶力のほか、判断力もついてくる時期でもあるので、「自分で選ぶ」という経験をたくさんさせるのが良いとされています。
無限の選択肢から選ばせるのは、
なかなか大人の事情や時間的など難しいところも多々あるので
- どっちがいい?(2〜3択)
- 何色がいい?
- どのくらいの量にする?
のように選択肢を狭めた上で選ばせてあげるとスムーズです。
自分で決めることで、前向きに取り組んだり責任をかんじたりと成長にもつながるので、子どもに選択する経験をどんどん積ませてあげたいですね!
「4歳の壁」は成長過程の今だから現れたもの。
子どもが心身ともにさらに成長していくことで自然とみんな乗り越えていける壁。
親や大人たちが「いまだけだから」と割り切る気持ちでいることも大事です・
まとめ:4歳の壁は成長の証!
4歳の壁は心身の大きな成長によるもの
成長しているからこそ現れる壁
こどもの成長に喜びながら、
親としては常に受け入れてあげられるように余裕を持ってこどもといられる様にいたいですね。
(それがいちばん難しいんだよぉ・・・)
4歳の壁を乗り越えた時には、きっと親子の絆もさらに深まっていると信じて。