薬物乱用頭痛という言葉を聞いたことはありますか?
なんだかアブなそうな名前ですが、
市販の頭痛薬・鎮痛薬を頻繁に飲んでしまうことで起こるかもしれない頭痛のことです。
普段、頭痛などで市販の頭痛薬・鎮痛薬を使用している人が、この薬物乱用頭痛になってしまう、
ということが近年どんどん増えているようです。
私も今から半年ほど前に薬物乱用頭痛になってしまい、いつもの鎮痛薬が効かない激しく辛い頭痛にかなり苦しみました。
子育て中は生活リズムが崩れたり休みたくても休めないので市販の頭痛薬や鎮痛薬によく頼っている方も多いと思います。
子育てや仕事で休みたくても休めない・頑張りたいと思っているママこそ「薬物乱用頭痛」になりやすいと思います。
しかし、薬物乱用頭痛をおこしてしまえば、
私のようにかなりひどい頭痛や症状で、頑張りたくても頑張れなくなってしまいます。
こうなってしまう前に薬物乱用頭痛について知っておき、ならないように予防をしてほしいのです。
そこで今回は
薬物乱用頭痛とは?その症状は
薬物乱用頭痛になりやすい人は?
なぜ薬物乱用頭痛になったのか
薬物乱用頭痛にならないように気をつけることや予防法
についてご紹介していきます。
薬物乱用頭痛とは?|症状チェックリスト
薬物乱用頭痛の診断基準は一般的に
鎮痛剤を月10〜15日以上内服することを3ヶ月以上続けて、その結果頭痛が頻回にある場合
とのことです。
頭痛薬や鎮痛薬を頻繁に飲むようになると
脳が痛みを感じやすい状態になり、頭痛の回数が増えてしまうそうです。
高血圧や胃、腎臓に悪影響を及ぼし、他の病気に関わってくることもあるそうです。
- 1ヶ月に15回以上頭痛がする
- 頭痛薬を月10回以上飲んでいる
- 朝方、朝目が覚めた瞬間から頭痛が始まる
- 頭痛の痛みの強さや場所が変わる
上記が当てはまる方は「薬物乱用頭痛」またはその予備軍である可能性があります。
薬物乱用頭痛になりやすい人は?
薬物乱用頭痛になりやすいと言われているのは「もともと偏頭痛などの頭痛持ち」の方です。
頭痛薬は痛みがひどくなる前に飲むほうが効果が出るといわれているので、痛みが弱いうちにと頭痛薬を服用することが多く、
結果として飲む数が増えてしまいがちです。
特に出産以降、頭痛がするようになったり、仕事・家事、子育てで休めないからと
鎮痛薬や頭痛薬の服用頻度がどんどん増えてしまい、薬物乱用頭痛の症状がおこる方も多いそうです。
薬物乱用頭痛の予防法や治療は?
薬物乱用頭痛にならないようにするには、
- 鎮痛薬・頭痛薬の服用記録をつける
- 薬物乱用になりにくい市販薬を選ぶ
- お薬以外の頭痛対処法をする
- 病院に行き、頭痛の根本から治療していく
ことが大切です。
頭痛薬・鎮痛薬の服用記録をつけることで
薬物乱用頭痛の診断基準「月に10回ほど服用」しているかどうかが明確になります。
また、薬物乱用になりにくい鎮痛剤・頭痛薬は
「単一成分である」「カフェインなどの他の成分を含まない」ものといわれています。
ただし、薬物乱用になりにくいといえども服用回数が増えれば薬物乱用頭痛になってしまうため
頭痛のときにできる、お薬に頼らずに痛みをケアできる方法もご紹介しておきますね。
偏頭痛の場合はストレッチなど血行を良くするような行動は逆効果になることがあります。
薬物乱用頭痛にならないためにも、
鎮痛薬の使用頻度を下げる、すなわち頭痛の原因をなくしていく必要があります。
そのため、慢性的に頭痛がある方は、「(脳)神経内科」や「頭痛外来」にいき、治療していくことをおすすめします。
薬物乱用頭痛の治療では
原因となる鎮痛薬頭痛薬を中止し、頭痛の回数を減らすための予防薬を毎日飲みます。
原因になったお薬を止めると、一週間ほど強い頭痛がします。
予防薬をしっかり継続し薬物乱用頭痛から抜け出せれば、その後は頭痛に悩むことはかなり少なくなるそうです。
30代子育て中ママ、なぜ薬物乱用頭痛になってしまったか
私が薬物乱用頭痛になってしまった経緯を紹介します。
少し長いですが、なにか参考になれば嬉しいです。
もともと産前も低気圧や生活リズムによって月に2、3回くらいは辛い頭痛があり、その度に市販の鎮痛薬を飲んでいました。
生理後半にも頭痛がくるので、その時にも飲んでいました。
なので、産前は月3〜4回ほど鎮痛薬を服用していました。
妊娠中は不思議と頭痛は少なくなりましたが、出産直後から頭痛が復活しました。
初めての子育てで気が張っている日々。
授乳や慣れない赤ちゃんのお世話に追われ、寝不足や生活リズムの崩壊でさらに頭痛が起こる頻度が増えました。
子どものお世話って仕事よりも休めないときってありますよね・・・
それでも息子はよく寝てくれる子だったので、赤ちゃん時代は一緒に休むことができていました。
けれども子供が体力がつき、お昼寝がなくなってきた1歳半ごろからはが本当に休む暇がなく、
頭痛薬をのんで息子をドライブに連れて行ったり一緒におもちゃで遊んだりと、
なんとか1日やり過ごす・・といったことが増えました。
そのうち、少しでも頭が重く感じたり、
「頭痛がひどくなりそうだな」と思う時にはすぐに鎮痛薬をのんで過ごすこともあり、鎮痛薬の消費量がどんどん増えていきました。
鎮痛薬がお守りのような状態で、そんな日々が半年ほど続いていました。
気づけば毎日頭が重い・痛い、と感じるようになって
鎮痛薬を1度飲んだら消えていたはずの頭痛が、いつしか飲んでも頭痛が治らなくなり、
わたしが愛飲していた市販の鎮痛薬の服薬間隔である「4時間」をまだかまだかと待つようになりました。
4時間経って再度服薬しても全く痛みがなくならず・・・そこで頭の痛み方がこれまでのものと違うことに気づきました。
これまでの頭痛は
- 「ガンガン」と脈打つような痛み
- 肩こり
- 胃腸が弱くなる
- 音や光がつらい
- 冷やすと少し落ち着く
といった、一般的に緊張型頭痛や偏頭痛の症状でした。
しかし、頭痛の頻度が上がり鎮痛薬も効かなくなってきた頃は
冷やしても全く痛みが紛れなかったり、吐き気がひどかったり
何より頭痛の痛む場所がどんどん変わっていくのでいつもと違うと感じました。
その頃は朝起きて目を開けた瞬間から我慢できないような頭痛が起こったり
鎮痛薬を飲んでなんとか眠りについたものの、
頭が痛くて目が覚めてしまうようなことが1週間ほど続き、何をしても頭痛が治らず、かなり気持ちがまいっていたのを覚えています。
これまでは頭痛がしても「お薬のめば」「やすんでいれば」すこしは楽になれると気持ちのよりどころになっていたものが
薬物乱用頭痛では全く役に立たなかったのも精神的にも辛かったです。
頭痛を診てくれる脳神経内科を受診し、お医者さんからは
- しばらくはとにかく耐えるしかない
- 予防薬を服用して「頭痛になりにくい体質」に変えていく
- 頭痛を減らし頓服の鎮痛薬の服用を月に10回以下にしていく ※ここでいう鎮痛薬は原因となったものとは別の成分の鎮痛薬のことです
を説明されました。
原因となった鎮痛薬は今後服用禁止にし、病院からいただいた予防薬(私の場合は漢方薬でした)を1日1回飲んで
薬物乱用頭痛の離脱症状である辛い頭痛をただただとにかく耐えるしかありませんでした。
大体6日くらいは激しい頭痛で仕事はおろか、まともに家事や育児ができませんでした。
6日後からは普段ずっと感じていた疲労や頭の重さがうそのように消え、家事も仕事も子育てもこれまで以上に集中して取り組めるようになったようにかんじました。
予防薬を飲み、体調を崩さないよう生活に気をつけるようにすると、半年ほどで頭痛の頻度もかなり下がり、
現在は頭痛で鎮痛薬を使う頻度は月に2度ほどまで減らすことができました。
息子の熱が移った時にのんだお薬(対鼻水の風邪薬でした)にすごく体調を崩し、成分を確認したら原因となった鎮痛剤と同じ成分が入っていました。
原因となったお薬以外にも、同じ成分が入っていたら避けたほうが良さそうです。
薬物乱用頭痛について|まとめ
薬物乱用頭痛についてご紹介しました。
薬物乱用頭痛でのひどく辛い頭痛もきつかったですが、
市販のお薬を使うのにも成分を確認して使わなければならなくなってしまい、市販薬の選択肢もかなり減ってしまったことに不便さを感じるようになりました。
頭痛との付き合いは20年ほどになり、頭痛のたびにネットで検索したりしていたのですが、
「薬物乱用頭痛」については全然知らなかったです。
この記事で薬物乱用頭痛について知っていただき、少しでも市販薬を飲む頻度や症状に気をつけてくれる人が増えると嬉しいです。
薬物乱用頭痛は、市販の鎮痛薬との付き合い方に気をつけるだけで「ならずに済む」頭痛です。
わたしのように薬物乱用頭痛で苦しむ経験をされる人が一人でもすくなくなりますように。